アルコールが「こころ」に及ぼす影響

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アルコールの脳への影響

アルコールは脳の働きに影響する

脳は大きく下記のように分けられ、それぞれに重要な機能があります。

  • 大脳皮質:理性をつかさどる
  • 大脳辺縁系:本能をつかさどる。感情や記憶に関わる。
  • 小脳:運動機能の調整に関わる。
  • 脳幹:生命の維持に関わる。

アルコールは脳に作用します。まず大脳皮質が麻痺することで、理性が働きにくくなります。

本能的な部分(大脳辺縁系の機能)を制御していた理性が麻痺すると、感情が表に出たり、陽気になったり、気がおおきくなったりします。

しかし、この効果はすぐに消えてしまうので、アルコール濃度が下がると怒りや不安、気分の落ち込みなどのネガティヴな気分になってしまいます

飲酒の習慣が続くと脳はアルコールへの感度が落ちてしまい、陽気な気分になるためにはより高いアルコール濃度を必要とするようになります。アルコールの量が増えていきます。気がついたらアルコール濃度がある程度ないと、落ち着かなくなってしまいます(アルコール依存)。

また、一気にアルコール濃度が上昇すると大脳皮質以外の脳にも麻痺が起こり、急性アルコール中毒になります。

アルコールは脳を小さくする

アルコール依存の方で脳のMRI検査をすると、同じような年齢の方と比べて脳が小さくなっていることがあります。この現象は比較的若い方でも起こり得ます。

小さくなった脳はアルコールをやめることで回復する可能性があります。

アルコール依存と脳の病気

アルコールに依存している方は、飲酒をしている時は食事をとらなくなる傾向があります。

栄養が偏りますが、特にビタミンが欠乏しやすくになります。中でもビタミンB1 は、アルコールの代謝に関わっているため、大量の飲酒でたくさん消費されてしまいます。

ビタミンB1が欠乏すると、意識状態が悪くなったり、歩けなくなったりします。これをウェルニッケ脳症と言います。この状態が長く続くと脳が委縮し、認知機能が落ちます(コルサコフ症候群)。

アルコールの睡眠への影響

寝つきは良くなるが質は下がる

アルコールを摂取すると気分がリラックスできて眠気が来やすくなります。睡眠にはサイクルがあります。睡眠が進んでいくと、アルコールの影響でサイクルが乱れます。それにより睡眠の質は大きく低下します。

アルコールは寝つきが良くなる感じはするが睡眠の質は落ちていて、アルコールの量が多いほど質の低下は顕著になります。

飲酒習慣が続くとアルコールに耐性ができ、多くのアルコールを摂取しないと寝つきも悪くなっていきます。

アルコールは睡眠時無呼吸を悪化させる

アルコール濃度が上がると、閉塞性無呼吸の症状が増悪することが知られています。喉の筋肉が弛緩して、気道の閉塞が悪化するためと考えられます。

また、アルコールを飲まなかったら、閉塞性無呼吸がなくても飲酒後に閉塞性無呼吸やいびきが見られることもあります。

アルコールとメンタルヘルス(こころの健康)

アルコール習慣と精神(こころ)の不調の関連について多くのことがわかっています。

アルコールと不安・うつ病

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不安やストレスのためにアルコールを飲む

アルコールを摂取すると気分がリラックスした感じになります。ただし、この時間は長くは続きません。不安やストレスを感じると、またリラックスしようとアルコールを飲むことになります。

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アルコールの耐性ができる

少量のアルコールで感じていたリラックス感は、徐々に得にくくなります。アルコールに対する耐性ができます。アルコールの量を増やさないと満足できなくなります。

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アルコールにより不安定な気分になる

アルコールにより睡眠の質が落ちたり、二日酔いを自覚しながら、むしろ不安や抑うつな気分は悪化していきます。

アルコールを減らす・やめることで試してみます。気分が改善するようなら、アルコールにより精神の不安定さが引き起こされていることが実感できます。

以上のように、アルコールは不安を増強したり、うつ病へつながったりします。不安やストレスの解消のためにアルコールを使うことをやめましょう。他のリラックスできる方法を探します。

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