以前から、アルコールは飲みすぎると良くないが、多少ならむしろ良いと言われてきました。しかし、最近になって少しのアルコールでも飲まないよりも有害であることが示されています。
アルコールがきっかけで亡くなっている方の死亡の理由は、急性の中毒や飲酒運転による事故であり、習慣的な飲酒による肝疾患、がん、心血管病などです。
アルコールが有害である理由とアルコールによる問題について紹介します。
アルコール習慣による体と心への影響
アルコールは体と心にダメージを与える
アルコールを習慣的に飲むことで慢性的な病気が発生することがあります。代表的なものは以下のとおりです。
いずれも健康状態を脅かす大きな病気です。
アルコールはどのくらいなら良いのか?
以前は少しくらい飲んだ方が体に良いと言われていましたが、最近ではできるだけ飲まない方が病気になりにくいことがわかりました。
未成年・胎児への影響も確認しましょう
アルコールの依存性について
長期にわたってたくさん飲酒することは、アルコールへの依存を形成することになります。アルコールをたくさん飲んで気分を良くしようとします。
【依存している兆候】
- 飲みたくてたまらない
- 飲む量をコントロールできない
- たくさん飲まないと気が済まない
- 家族から隠れて飲む
- 飲んだ量の嘘をつく
アルコール依存になると、精神的・身体的健康を損ないます。社会へ適応できなくなり、暴力的になったり家族等周囲の人々にも迷惑をかけます。
アルコール依存にならないように、アルコールに頼らない生活を目指しましょう。
アルコールは不安感や抑うつ的な気分を和らげる効果がありますが、アルコールに頼りすぎると依存しやすくなります。できる限りストレス発散の材料にすることを避けます。ストレスは他の方法で発散すべきです。
強い依存状態になった場合は、精神科などの医療機関でサポートを受けましょう。
アルコールを減らすと良いことがある
すぐに実感できる効果
アルコールを毎日飲んでいると、気づけない体調の不良があります。そこで、頑張ってアルコールを飲む習慣をとめてみると体調が良くなることを実感される方は少なくありません。
【比較的すぐに感じる変化】
- 目覚めが良い・胃の調子がよくなった
- 仕事のパフォーマンス改善・集中力が上がった
- 血圧が下がった
- 体重が減った
- 肝臓の数値が改善した
アルコール習慣がある方は、体調が悪くても飲んでしまいます。そして、周囲もついついアルコールを勧めてしまう雰囲気ができています。飲まないことが当たり前の空気に変えていきましょう。
長期的なメリット
アルコールを減らし、やめることのメリットは絶大です。アルコールによって起こりうる問題の多くを改善・解決することがメリットです。
いわゆる生活習慣病(高血圧、肥満、尿酸値など)やそこから波及する心臓・血管の病気のリスクを下げます。当然、アルコールによる肝障害からの肝硬変・肝臓がんのリスクも減らします。がんのリスクも低下します。
さらに精神的に安定する効果も期待されます。アルコールによる不安定さや暴力的な行動が減ります。自分も含めて周囲の方にも良い効果があります。
アルコールを減らすことは死亡率の低下にもつながることがわかっています。