スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤):特徴と注意点

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特徴

スタチン製剤は、高LDLコレステロール血症に対する薬物治療の第一選択薬として使用されます。

スタチンはコレステロールを低下させ、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化による疾患のリスクを低下させることがわかっています。

LDLコレステロールを下げる効果

スタチンは、HMG-CoA還元酵素と呼ばれる酵素の働きを阻害することで肝臓におけるコレステロールの合成を減らします

それにより血液中のLDLコレステロールが低下します。動脈でのプラーク形成を予防する効果が期待されます。

副作用

  • 筋肉痛・脱力感:筋肉がダメージを受け、痛みがでたりだるくなったりします。休薬により回復します。
  • 横紋筋融解症:筋肉が激しくダメージを受けた状態。全身が痛くて力が入りにくくなります。壊れた筋肉からの出た成分で腎臓の働きが急に低下することがあります。素早い対応が必要です。
  • 血糖値の上昇:インスリンの働きに影響して血糖値が上がることがあります。しかし、コレステロールを下げる効果の方が重要であり、糖尿病の有無に関わらず処方されます。
  • 肝障害:スタチンによる薬剤性肝障害が起こることがあります。
  • 間質性肺炎

注意事項

スタチンはLDLコレステロールを下げる効果は強く効果的です。まれに筋肉痛や筋肉の問題生じることがあります。筋肉の痛みや疲労感、脱力感を感じた場合は主治医に相談しましょう。

ただし、スタチンを飲んでいるというだけで、実際には問題がなくても筋肉の痛みや疲労感を感じてしまうこともあります。筋肉痛が実際に起こる可能性は5%未満とされています。横紋筋融解症にいたっては、100万人あたり数名とかなり稀です。

肝障害があると異常な疲労、食欲不振などの症状がでます。皮膚や目の白い部分がが黄色く感じたらすぐに主治医に相談しましょう。

スタチンの種類

スタチン製剤には古くからあるスタンダードスタチンとより強力なストロングスタチンの二つに分けられます。

スタンダードスタチン:LDLコレステロールを15%程度減少させる

  • シンバスタチン(商品名:リポバス)
  • プラバスタチン(商品名:メバロチン)

ストロングスタチン:LDLコレステロールを30%程度減少させる

  • ロスバスタチン(商品名:クレストール)
  • ピタバスタチン(商品名:リバロ)
  • アトルバスタチン(商品名:リピトール)
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