気をつけようペースメーカーの電磁干渉

ペースメーカー(および植込み型除細動器、両室ペースメーカー)は外部の電気を発生させる装置から影響を受けること(電磁干渉)があります。

電磁干渉を受けると、ペースメーカーが正常に作動しなかったり、設定が変わったりすることがあります。いろいろな状況で気を付けるポイントについて解説します。

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屋内・家庭内での電磁干渉リスク

屋内および家庭内で起こりうる電磁干渉については、以下の様な状況があります。

IH調理器・炊飯器

IHを使用した調理器・炊飯器は電磁波を発生させ、ペースメーカーに不具合を発生させることがあります。できるだけ離れて使用するようにしましょう。

  • IH調理器:IHコンロとペースメーカーの間に60cm以上の距離をとる
  • IH炊飯器:炊飯中は体を近づけない、保温機能は使わない

電化製品を使用している間にめまいや心臓の鼓動が速くなった場合は、心臓の鼓動が正常に戻るためにそこから離れてください。

携帯電話

携帯電話は離して使用

携帯電話を使用するのは安全ですが、ペースメーカーから15cm以上離して使用してください。

ペースメーカー本体の反対側で使用してください。

胸ポケットに携帯電話を入れておくことも避けてください。

磁気治療器

磁気を発生させるものをペースメーカー本体に近づけないようにしてください。体調の変化に気づいたら使用を中止してください。

磁気を発生させる器具:貼付用磁気治療器、磁気ネックレス、磁気マットなど

全自動麻雀卓

全自動麻雀卓は強い磁場を発生します。使用しないでください。

気をつけながら使用可能なもの

以下に示す器具(ほとんどの家電)は通常通り使用すれば問題ありません。ただし、スイッチを入れたり切ったりを頻繁に繰り返すことは避けてください。ペースメーカーが誤作動する可能性があります。

気をつけながら使用可能なもの
  • 電気カーペット
  • 電気敷布
  • 電子レンジ
  • 電気毛布
  • テレビ
  • ホットプレート
  • エアコン
  • 空気清浄機
  • 加湿器
  • 電気コタツ
  • 電気洗濯機
  • 電気掃除機
  • トースタ
  • ミキサー
  • ラジオ
  • コンピュータ
  • コピー機
  • ファックス
  • 補聴器等

屋外での電磁干渉リスク

屋外で注意すべき電磁干渉リスクは以下の通りです。

電気自動車の充電

ペースメーカーと電気自動車

急速充電器

急速充電器を使用した電気自動車の充電は行わないでください。急速充電器にはできるだけ近づかないようにしてください。急速充電器の使用が必要な場合は、他の方に頼んでください。

普通の充電器

普通の充電器を使用した充電は可能です。ただし、充電器や充電ケーブルに体を近づけすぎないように気をつけましょう。

自動車のスマートキー

スマートキーを使用すれば、鍵を使わずに自動車のロックを解除したり、エンジンをかけることができるます。

スマートキーの使用は問題ありませんが、ペースメーカーが入っている部分を、車載アンテナから22cm以上離すことが求められます。

車載アンテナは車のドアや後ろの部分、そして車内に設置されています。メーカーや車種によって違いがあります。

普通の使用方法では問題となることは、ほぼありませんが車に寄りかかったりすることを避けましょう。一度、使用される自動車のどこにスマートキーのアンテナがあるかを確認していただくと安心です。

店舗のセキュリティシステム : 電子商品監視機器(EAS)

盗難防止装置の近くで止まらない

店の出入り口で盗難防止検出器を普通に通り過ぎることでは、ペースメーカーには影響しません。

ただし、盗難防止検出器の近くで止まると、ペースメーカーに影響を与えることがあります。すっと通り過ぎましょう。

RFID(電子タグ)機器

RFIDとペースメーカー

RFID(電子タグ)は、ワイヤレス通信で情報の読み取りや書き込みをする技術です。

多くの商品やICカードなどで使用されています。

RFIDを読み取る装置「RFIDリーダライタ」は、通信する際に電波や磁界を照射して行われます。

RFIDリーダライタは、ペースメーカーに影響を与える可能性があるので22cm以上話しましょう。

空港のセキュリティシステム

空港のセキュリティシステムは通常、ペースメーカーに問題を引き起こすことはありません

ペースメーカー手帳を携帯し、セキュリティスタッフにペースメーカーが植え込まれていることを伝えましょう。

セキュリティゲートを通過するように言われた際は、素早く通過しましょう。

ハンディの金属探知機を、ペースメーカーのところにあてることは避けてもらいましょう。

職場環境や職種での注意点

あなたの仕事が、アーク溶接、ダイアタミー、高出力ラジオまたはテレビ送信機などの強力な電気分野と接触した場合、または車の点火システムと直接接触した場合は、仕事に戻る前に心臓専門医またはペースメーカー技術者に確認してください。

病院・診療所内での電磁干渉リスク

病院や診療所内で電磁干渉の可能性がある装置は以下の通りです。

  • 磁気共鳴画像診断装置(MRI)
  • 体に電気が流れる装置(ジアテルミー、高周波/低周波治療器、筋肉刺激装置、電気利用の鍼治療など)
  • 電気メス
  • 結石破砕装置
  • 放射線照射治療装置
  • CT装置やX線診断装置等

その他の病院における電磁干渉:病院における電磁干渉については、病院側が注意して行います。

医療行為を受ける際には、ペースメーカーを植え込んでいることをお伝えください。

磁気共鳴画像診断装置(MRI)

MRIで安全に検査できるペースメーカーなどの心臓植込み型不整脈デバイスが使用可能となっています。

MRIが撮影可能な状況にあれば、MRI対応カードが発行されます。MRI検査を予定した医療機関には、ペースメーカー手帳とMRI対応カードを必ず持参しましょう。MRI対応カードがなければ、MRI撮像はできません。

ペースメーカー植込み患者さんのMRI撮像が可能な施設については、こちらをご覧ください。緊急でのMRI撮影を対応していないことがあります。事前にご確認ください。

体に電気が流れる装置(ジアテルミー、高周波/低周波治療器、筋肉刺激装置、電気利用の鍼治療など)

体に電気が流れることでペースメーカーに影響を与える可能性がある装置や行為は以下の通りです。ペースメーカーの不具合が起こる可能性があります。行わないでください。

  • ジアテルミー
  • 高周波治療器
  • 低周波治療器
  • 筋肉刺激装置(筋肉増強を目的とした装置)
  • 電気利用の鍼治療
  • 電気風呂
  • 体脂肪計
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