特徴
インスリンが効きやすくなり、筋肉や脂肪へのグルコースの取り込みを増やし、肝臓での糖新生を抑えることで血糖値の上昇を抑える。
作用機序から単剤では低血糖は起きにくいので使いやすい薬だと言えます。
血糖値を下げる作用
2型糖尿病で血糖値が上昇する理由は、インスリンが分泌されているのに効きが悪くなる(インスリン抵抗性)か、インスリンの分泌が減るか、またはその両方です。
チアゾリジン薬は、細胞内でPPARγという受容体を刺激します。それによりいろいろな反応が生じて、インスリン抵抗性を改善させます。
インスリンが効きやすくなると、筋肉や脂肪組織にグルコースが取り込まれやすくなります。それにより血液中のグルコース濃度(血糖値)が低下します。
副作用
- 低血糖:単剤では低血糖は起きにくいですが、SU薬などと併用すると低血糖を起こす可能性があります。
- むくみ・心不全増悪:体に水分が溜まった状態です。足がむくんだりします。心不全のリスクがある場合は、心不全が悪くなる可能性があるので内服しない方が良いでしょう。
- 体重増加:インスリンが効きやすくなり体重が増えることがあります。
- 肝機能障害:非常にまれ。倦怠感や食欲不振、黄疸などあれば速やかに相談しましょう。
注意事項
水分が増えるたり、脂肪が増えて体重が増加することがあります。
足や顔がむくんだ場合は、水分が溜まった状態です。主治医に内服の継続について相談しましょう。
心不全の既往がある患者さんは、水分が増えることで心不全のコントロールが悪くなることがあります。
チアゾリジン薬の一覧
一般名 | 商品名 | 特徴 | 用法・用量 |
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ピオグリタゾン | アクトス | 口腔内崩壊錠がある | 1日1回朝食前または後、1回 15~30mgから (45mgまで) |