たばこと言えば乾燥させたたばこの葉を紙で巻いて、火をつけてフィルター越しに吸う紙巻きたばこが一般的です。
最近では煙がでない加熱式たばこも多く流通しています。ここでは、たばこの種類と加熱式たばこの特徴について比較してみようと思います。
日本で流通しているたばこの種類
現在日本で流通しているたばこには以下のような種類があります。
紙巻きたばこ
以前から使用されているたばこです。
先端に火をつけてたばこの葉を燃焼させ、煙を吸います。
加熱式たばこ
たばこの葉を燃焼ではなく、加熱させて発生した蒸気を吸います。
電子タバコと間違われることがあります。
葉巻
たばこの葉をたばこの葉で巻いたものです。
紙巻きたばこ
「電子タバコ」は日本では未発売
海外では電子タバコが発売されています(日本では未発売)。
電子タバコは、ニコチンなどのたばこの成分を含む液体を加熱してエアロゾル状態にして吸い込む装置です。
ニコチンが含まれますので、中毒性はあります。紙巻きたばこよりも有害物質は少ないとされていますが、当然吸わないよりも有害です。
また、本当の安全性については十分な情報がありません。
- 国内では、ニコチンやタールが含まれていないリキッドを加熱して吸うものが発売されています。こちらは、厚生労働省が施行した「改正健康増進法」の規制対象外ということです。
加熱式たばこも有害物質を十分に含んでいる
加熱式たばこの仕組み
加熱式たばこは、使い捨てのたばこスティックを専用のカートリッジに挿入します。
燃焼させずに加熱することで煙を出さずにエアロゾルを発生させてそれを吸引します。
加熱式たばこは安全なのか?
加熱式たばこは煙がもくもくでないので、なんとなく有害物質が少なそうに見えます。加熱式たばこ(IQOS)と紙巻きたばこがどの程度有害物質に差があるのかを示した報告があります1)。
【加熱式たばこの主流煙に含まれる物質(紙巻きたばことの比較)】一部抜粋
分析された化合物 | 紙巻きたばこ比較した割合 | 作用 |
---|---|---|
ニコチン | 84% | 中毒性、心血管に悪影響 |
一酸化炭素 | かなり低い | 酸素の取り込みを低下させる |
ホルムアルデヒド | 74% | 刺激性、発がん性 |
アセトアルデヒド | 22% | 刺激性、発がん性 |
1)JAMA Inter Med. 2017;177:1050
上記の表のように中毒性の原因となり、心血管に悪影響を及ぼすニコチンは紙巻きたばこの84%も含まれます。その他の有害物質も測定上は低くなっていますが、吸わないよりも明らかに有害であることがわかります。
加熱式たばこの受動喫煙は?
加熱式たばこは目に見える煙がでないため、いわゆる副流煙はないことになります。
しかし、加熱して燃焼することでエアロゾル(ミスト状)を発生させています。この目に見えないエアロゾルを吸うことで受動喫煙していることになります。紙巻きたばこの煙と比較して少なめといっても、加熱式たばこのエアロゾルには有害物質が十分に含まれています。
近くで加熱式たばこを吸っている人がいると独特のにおいがします。加熱式たばこが発生させた有害物質を含むエアロゾルを吸引している可能性があります。当然、加熱式たばこを吸って吐き出した息にも有害物質が含まれています。
煙が出ないと言っても、子供や妊婦さんの近くで吸うのはやめましょう。また、公共の場での喫煙は紙巻きたばこと扱いは同じです。
加熱式たばこは紙巻きたばこと同じように扱いましょう。