不整脈を予防するための生活習慣ガイド

「不整脈を持っている」ということは、 不整脈が起こるような基質を持っていることを意味します。不整脈が引き起こされるきっかけがわかっている方(アルコール飲むと出る、激しく運動すると出る など)もいますが、はっきりきっかけがわからない方のほうが多いと思います。

不整脈は特に交感神経が活発になっている時に起きやすくなります。それを踏まえて、不整脈が起きにくくなるような生活習慣について見ていきましょう。

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適度な運動を!

ウォーキングや軽いジョギングなどを習慣的に行うことは不整脈の頻度を下げることに役立ちます。運動自体は交感神経を活発にしますが、運動によって副交感神経(交感神経と拮抗的に働く)を鍛えることができます。

適度な運動:(理想)有酸素運動を週に150分程度。

過度な運動はむしろ良くない

同じ運動でも競争したり、時間を争ったりするレベルの運動は体にとって過度な負荷になる可能性があります。

過度な運動は不整脈の発生を増やします。適度なレベルを探りましょう。

ストレスを管理しよう

ストレスも交感神経を活性化します。ストレスには身体的ストレスも精神的ストレスも含まれます。

何かとストレスの多いご時世ですが、ストレスから逃れる方法を探りましょう。自分がどのようなストレスにさらされて、どうなっているのかを知るには「瞑想」がお勧めです。

また、ヨガなども呼吸をゆっくり大きく行うため副交感神経が活性化し、交感神経を鎮める効果があります。瞑想やヨガを取り入れましょう。

睡眠の質と量を高める

通常、睡眠中は交感神経は休んで副交感神経が活発になります。心拍数は落ち着き血圧も下がります。心臓が疲れをとる時間です。

睡眠不足になると、心臓が休まる時間が短くなり交感神経は活発なままになります。結果的に不整脈が出やすくなります。

必要な睡眠時間は7時間以上とされています。健康な状態を維持するためにも睡眠時間を十分に確保しましょう。

また、睡眠の質を下げる原因の一つに睡眠時無呼吸症候群があります。不整脈の患者さんで調べてみると睡眠時無呼吸症候群を持っていることが多いです。

睡眠時無呼吸症候群は自覚症状がほとんどありませんが、睡眠中に心臓は休むことができず、むしろ活発になったりします。いびきの指摘があったり、よく目が醒める方は検査を受けましょう。

アルコールは控える

アルコールを習慣的に摂取すると体にも精神にも大きなダメージを与え続けることがわかっています。

アルコール摂取を機会に不整脈が出る方もいます。アルコールは寝つきを良くするイメージがありますが、睡眠中に睡眠の質が大きく低下します。間接的にも不整脈が出やすくなります。

また、アルコールは精神的にも不安定にします。ストレスを和らげるつもりでアルコールを摂取すると反動でより不安定になります。精神的な不安定さも間接的に不整脈を誘発するきっかけになります。

カフェインもほどほどに

カフェインの適量は年齢や体重などによって異なりますが、一般的には400mgまでが安全とされています。また、カフェインは睡眠にも影響するため夕方以降の摂取は控えた方が良いです。

飲みものカフェインの量
コーヒー(コーヒーカップ 150ml)80〜100 mg
コーヒー(マグカップ 300ml)150〜200 mg
紅茶(カップ 150ml)30〜50 mg
緑茶(カップ 150ml)20〜30 mg

不整脈を抑えるという意味では、コーヒーや紅茶はデカフェ(カフェインを抑えた)のものを選びましょう。

ちなみにスターバックスのホームページによると、トールサイズのドリップコーヒーはカフェイン26mgです(通常のドリップコーヒーは276mgです)。

バランスの良い食事をとる

低カロリー高栄養の食品を選ぶ

野菜、きのこ類、海藻などのカロリーが低く栄養素が多く含まれる食品を積極的に選びましょう。

カロリーを抑えながら、満腹感を得ることができます。

適度な炭水化物制限

炭水化物を制限するダイエットは効果が出やすい反面、エネルギー不足により筋肉量の低下や疲れやすさを感じることがあります。炭水化物を完全に排除するのではなく、適量に質の良い炭水化物を食べましょう。

良質なたんぱく質で筋肉量の維持

【良質なたんぱく質】

  • 脂肪の少ない肉類:鶏むね肉、ささみ、牛ヒレ肉
  • 魚類:青魚(サバ、イワシ、サンマ)は不飽和脂肪酸も豊富。缶詰も利用しよう。白身魚は低脂肪、高タンパク。
  • 大豆:豆腐、納豆、豆乳、エダマメ。植物性たんぱく質。
  • 乳製品:ヨーグルトは無糖を選ぶ。チーズは低脂肪を。

良い脂質をとる

ある程度は脂質を摂取できますが、できるだけ飽和脂肪酸は避けましょう。逆に不飽和脂肪酸が多い食品は積極的に摂取しましょう。

飽和脂肪酸が多い(=避けるべき食材)
  • 脂肪分の多い肉類:霜降りの肉、豚肉の脂身、加工肉(ソーセージ、ベーコンなど)
  • 乳製品:バター、チーズ、生クリーム
  • 特定の植物性油:ココナッツオイル、パームオイル
  • ファストフードやスナック菓子
  • チョコレート:特にミルクチョコレート、ホワイトチョコレート
不飽和脂肪酸が多い(食べた方がいい)
  • 魚類(特に青魚)
  • ナッツ類
  • 植物油:オリーブオイルやキャノーラ油、アマニオイルやえごまオイルも
  • アボカド
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