かぜ・急性上気道炎とは
いわゆる「かぜ」は、上気道の急性の炎症による一連の症状をいいます。正式にはかぜ症候群と呼ばれます。
上気道は、鼻腔・咽頭・喉頭で構成されます。
喉頭は気管に連続していて、その下に気管支、肺があります。気管から肺までを下気道といいます。

上気道に急性の炎症が起きた場合に使用される病名として「急性上気道炎」があります。「かぜ症候群」と「急性上気道炎」を明確に区別する基準はなく、ほぼ同義として使用されています。
原因
かぜ症状群の原因の多くはウイルスです。ウイルスを持つ患者さんのくしゃみなどで飛び散ったウイルスが上気道に侵入することで始まります。侵入したウイルスが定着したところで増えると体が排除しようと炎症が発生し、症状が出現します。
かぜ症候群の主な原因ウイルス
- ライノウイルス
- コロナウイルス
- RS ウイルス
- パラインフルエンザウイルス
- アデノウイルス など
ウイルス以外でもかぜ症候群を発症することがあります。その原因とて、一般細菌、肺炎マイコプラズマなどが挙げられます。
症状
一般的にかぜ症候群を引き起こすウイルスに暴露して1〜3日後に症状が始まります。かぜ症候群の症状は以下のようのものがあります。
かぜ症候群でよくある症状
- 鼻みず・鼻づまり
- 喉の痛み・かゆみ
- 咳
- くしゃみ
- 倦怠感
- 発熱
多くの場合、症状は2、3日でピークとなり7〜10日程度で改善します。
合併症
かぜ症候群は自然に治っていきますが、まれに合併症を併発することがあります。
中耳炎 | 喉の奥と耳の奥は繋がっているところがあります。炎症が進んでいくと耳の奥(鼓膜の後ろの空間)が炎症を起こし液体が溜まることがあり、これを中耳炎と言います。 耳の痛みがでたり、一旦下がった体温が再度高くなったりします。 |
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副鼻腔炎 | 鼻腔とつながる副鼻腔という空間に炎症が広がった状態を副鼻腔炎と言います。 顔面の痛みや頭痛といった症状が出ます。 |
喘息 | かぜをきっかけに喘息のような呼吸になることがあります。咳喘息と呼ばれたりしますが、喘息と同様に扱われます。 もともと喘息の人が、かぜを引いて喘息が悪化することがあります。 |
肺炎・気管支炎 | 上気道の炎症が、下気道に波及して肺炎や気管支炎などを引き起こすことがあります。咳だけでなく、痰の量が増えたり、息苦しさを感じた場合は医療機関を受診しましょう。 |
検査
典型的な「かぜ症候群」は問診や経過から診断されるため、特別な検査はありません。症状が典型的ではない場合は、血液検査やレントゲン検査を行うこともあります。
また、以下のような疾患を疑う場合は鼻腔や咽頭から採取した検体から抗原検査の迅速検査を行うことができます。
迅速検査が可能なウイルス
- インフルエンザウイルス
- 新型コロナウイルス
- RSウイルス
- アデノウイルス
また、咽頭の症状が強く、膿が付着している場合は溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)感染を疑います。A群β溶血性連鎖球菌についても咽頭から採取した検体から迅速検査を行うことができます。
咳が強い場合は、百日咳やマイコプラズマ感染を疑うこともあります。血液検査で診断を行うため診断までに時間がかかることがあります。
治療
ウイルス性のかぜ症候群は、特効薬はないため自分で戦うことになります。体がウイルスと戦えるように、十分な休養と水分補給が重要です。
一般的には抗菌薬は不要で、症状を和らげるような薬が処方されます。鼻みずを減らすような薬や熱を下げる薬が用いられます。
一部のウイルスには抗ウイルス薬があるので、使用されることもあります。
溶連菌感染が疑われる場合は、抗菌薬も処方されることもあります。
予防
かぜ症候群を防ぐためのワクチンはありません。以下のようなことに注意してウイルス感染のリスクを下げる生活をして予防しましょう。
- 健康的な生活習慣:バランスよく食べて、適度な運動をして、十分な睡眠をとりましょう
- 手を洗う:石鹸の水をつかってよく手を洗いましょう。他の人も触れるもに触れた後はアルコールを含む消毒を行いましょう。
特に食べたり飲んだりする前にはしっかりと洗い、日頃からうかつに目、鼻、口を触らないように習慣づけましょう。 - 咳をするときは口を覆う:ウイルスをばら撒かないように、咳やくしゃみをするときはハンカチやティッシュで口を覆いましょう
- 風邪をひいている人との接触に注意:風邪を引いている人と過ごす場合は、上記の注意事項をより厳重に行いましょう。
- 感染症の流行には敏感に:寒い時期のインフルエンザなどは流行状況がニュースになります。流行していることはさらに気をつけましょう。