蛋白尿を指摘されたら

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蛋白尿とは

蛋白尿とは、尿中にタンパクが必要以上に出ている状態です。腎臓で尿が作られる際に、タンパク質は尿にできるだけ出て行かないように制御されています(ごくわずかのタンパク質がでます)。

通常、尿中に排泄されるタンパク質は1日に40~120mg(上限150mg)とされます。また、タンパク質の1種であるアルブミンは1日で5-10mg程度です。

腎臓や尿管などに問題があるとタンパク質が尿中に多く排泄されます。そのため、蛋白尿の検出は腎臓に何かの問題がないかを疑うきっかけになります。

蛋白尿とアルブミン尿

タンパクのなかでも分子量がより小さなものをアルブミンといいます。蛋白尿のほとんどはアルブミンですが、微量のアルブミンはタンパク尿が陽性になる前から尿中に現れますので、病気の早期発見に役立ちます。

尿蛋白の原因は?

尿蛋白の検出は腎臓病の存在を示唆している可能性があります。尿蛋白を認める主な腎臓病は以下のような疾病があります。

  • 糖尿病性腎症
  • 慢性糸球体腎炎
  • 腎硬化症
  • ネフローゼ症候群
  • 薬剤性
  • そのほか

それ以外にも多くの原因で尿蛋白が見られます。また、病気でタンパクが検出される以外に、「生理的たんぱく尿」があります。健康診断で蛋白尿を指摘される方の多くは生理的たんぱく尿ですが、なかには腎臓病が潜んでいることがあります。

生理的たんぱく尿

病気以外の原因で尿蛋白が検出された場合に生理的たんぱく尿と診断されます。

【生理的蛋白尿が出やすい状況】

  • 立位、腰をそらすなどの体位で増加
  • 肉類などタンパク質が多い食事のあと
  • 激しい運動のあと
  • 発熱、脱水などによる尿の濃縮

女性は、月経中は尿検査が正確にできないことがあります。男性は、射精後も尿中に精漿が含まれるとタンパクとして検出されることがあるので、検査の前日は性行為や自慰行為は控えましょう。

尿蛋白の検査

尿蛋白の検査は、尿蛋白定性検査定量検査があります。

尿蛋白定性検査

尿に試験紙を浸して、色の変化を見る検査です。スクリーニング検査として用いられます。

健康な人は陰性です。尿中のタンパク量の多さで弱陽性から強陽性になります。

ただし、陰性か陽性かを見る検査であり、定性検査で腎臓病の重症度を診断することは適切ではありません。

尿蛋白以外に尿潜血なども同時にチェックすることができます。

尿蛋白定量検査

尿中にどのくらいタンパク質が含まれているか(尿中蛋白濃度)を機械を使用して測定します。

血尿が見られる場合

腎臓病のほかに泌尿器の病気でも現れます。腎臓に原因がある場合の血尿は、見た目ではわからないことが多く、顕微鏡検査(尿沈渣検査)、血液検査、エコー検査などが行われます。

病院にかかる基準は?

蛋白尿は健康診断で指摘されることが多いと思います。病院で相談した方が良い基準は以下のようになります。

病院にかかる基準

尿蛋白陽性(1+)以上 または eGFR 60 mL/分/1.73m2未満

尿蛋白が1+以上であれば、かかりつけ医療機関に報告しましょう。もしくは、血液検査から測定されるeGFR(腎臓の機能)の低下がある場合も相談しましょう。

慢性腎臓病を早期発見し、介入をすることは透析への移行を抑える(または遅らせる)ことができます。

腎臓機能を推定する「eGFR」

eGFRは推算糸球体濾過量(estimated Glomerular Filtration Rate)の略語です。腎臓が老廃物を尿として排泄する力を推定する値です。慢性腎臓病の重症度を調べる際に使用されます。

eGFRは「年齢」「性別」「血清クレアチニン値」から算出されます。

かかりつけ医に相談しよう

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