尿酸生成抑制薬:特徴と注意点

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特徴

尿酸生成抑制薬は、体内でプリン体から尿酸を生成する酵素を阻害することで、尿酸生成を抑えて高尿酸血症を改善する薬です。

尿酸を下げる作用

食事などで生じたプリン体は、肝臓でキサンチン酸化還元酵素(XOR)によって分解され最終的に尿酸になります。尿酸は血液中で増加し、腎臓から尿中に排泄されます。

尿酸生成抑制薬はXORの働きを阻害することで尿酸が増えるのを抑えます。プリン型XOR阻害薬と非プリン型XOR阻害役がある。

プリン型XOR阻害薬はXOR以外の酵素を阻害する可能性を指摘されている。また、腎障害があると血中濃度が高くなるため調整が必要である。

非プリン型COR阻害薬はXORを選択的に阻害するとされている。

副作用

プリン型XOR阻害薬

  • 重篤な皮膚症状(皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症など)
  • 汎血球減少
  • 肝障害

非プリン型XOR阻害薬

  • 関節痛
  • 倦怠感

注意事項

プリン型XOR阻害薬

腎臓から排泄される薬なので、腎臓の機能が落ちていると濃度が上がって副作用(皮膚症状など)が出現する可能性があります。

皮膚の症状は重篤になる可能性があるので、皮膚が赤くなる、目が充血する、口の中があれるなどの症状があればすぐに主治医に相談しましょう。

他の薬剤に影響(作用増強)することがあるので、飲み合わせに注意します。想定よりも薬が効きすぎたり、効かなかったりする可能性があります。

プリン型XOR阻害薬であるアロプリノールは腎障害の強さで用量を調整します。

アロプリノールの腎機能別用量
腎機能アロプリノール投与量
CCr 50 mL/分 以上100-300 mg/日
CCr 30-50 mL/分100 mg/日
CCr 30 mL/分 以下50 mg/日
血液透析 施行例透析終了時に 100 mg/日
腹膜透析 施行例50 mg/日

CCr: クレアチニンクリアランス

非プリン型XOR阻害薬

肝臓で代謝・排泄させるため腎機能が低下していても使いやすい薬です。アロプリノールよりも少ないですが、併用に注意な薬があります。

尿酸生成抑制薬の一覧

タイプ一般名商品名適応用法・用量
プリン型アロプリノールザイロリック痛風の高尿酸血症、高血圧を伴う高尿酸血症1日2-3回、1日 200~300mg
腎機能低下で調整
非プリン型フェブキソスタットフェブリク高尿酸血症、痛風1日1回、10mgから
トピロキソスタットウリアデック高尿酸血症、痛風1日2回、1回20mgから
維持量は1回60mg、1日2回を目安
アロプリノールの主な併用注意薬
  • メルカプトプリン
  • アザチオプリン
  • ピダラビン
  • ワーファリン
  • シクロスポリン
  • シクロホスファミド
  • フェニトイン
  • キサンチン系薬剤
  • テオフィリン
  • ジダノシン
  • カプトプリル
  • ヒドロクロロチアジド
  • アンピリシン
  • 鉄イオン含有製剤
フェブキソスタットの併用注意薬
  • メルカプトプリン
  • アザチオプリン
  • ピダラビン
  • ジダノシン
  • ロスバスタチン
トピロキソスタットの併用注意薬
  • メルカプトプリン
  • アザチオプリン
  • ピダラビン
  • ワーファリン
  • キサンチン系薬剤
  • テオフィリン
  • ジダノシン
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