CPAPの算定について

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2024年度診療報酬改定による変更点

2024年度の診療報酬改定により以下のように変更されます。

これまで2024年度変更
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2250点変更なし
 情報通信機器を用いた診療(新設)218点
在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算1,000点960点
在宅持続陽圧呼吸療法材料加算100点変更なし
遠隔モニタリング加算150点変更なし
2024年診療報酬改定

【新設】情報通信機器を用いた診療での在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料

CPAPの診療の際に、これまでは対面の診療にて在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2(250点)を算定することができました。

今回、「情報通信機器を用いた診療」をすることで対面でなくても指導管理料を算定することができます。つまり、オンライン診療で指導管理料を算定できます。点数は218点で、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の代わりになるものです。

ただし、「情報通信機器を用いた診療」にて算定する場合は、厚生労働大臣が定めた施設基準に適合し厚生局に届け出ている医療機関に限られます。

在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算の点数変更

在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算はこれまで1000点で算定されていましたが、今回の改訂にて960点となります。

CPAPに関わる諸費用

CPAPに関わる費用は以下のような項目になります。

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2250点
在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算1,000点
在宅持続陽圧呼吸療法材料加算100点
合計1350点(13,500円)

算定される保険点数に10をかけた数字が支払う必要のある金額になります。CPAPを1ヶ月使用すると、13,500円かかるとこになります。ただし、健康保険が適応になりますので、3割負担、1割負担でお支払いになります。

  • 3割負担:4,050円
  • 1割負担:1,350円

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2

医師が患者さんにCPAPの必要性を説明し、導入し、継続を指導することに対する保険診療点数です。月に1度250点(2,500円)算定されます。外来受診時に算定できます。

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の算定要件

慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHA Ⅲ度以上であると認められ、睡眠時にチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数が 20 以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されているもので、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1の対象患者以外に ASV 療法を実施した場合

心不全である者のうち、日本循環器学会・日本心不全学会による ASV 適正使用に関するステートメントに留意した上で、ASV 療法を継続せざるを得ない場合

以下の(イ)から(ハ)までの全ての基準に該当する患者。ただし、無呼吸低呼吸指数が 40 以上である患者については、(ロ)の要件を満たせば対象患者となる。

(イ) 無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう。)が 20 以上

(ロ) 日中の傾眠、起床時の頭痛などの自覚症状が強く、日常生活に支障を来している症例

(ハ) 睡眠ポリグラフィー上、頻回の睡眠時無呼吸が原因で、睡眠の分断化、深睡眠が著しく減少又は欠如し、持続陽圧呼吸療法により睡眠ポリグラフィー上、睡眠の分断が消失、深睡眠が出現し、睡眠段階が正常化する症例

在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算

医療機関が患者さんにCPAPを貸し出していることに対する加算です。月の加算は1,000点(10,000円)です。基本は月に1度算定しますが、3ヶ月に3回分算定することも可能です。

在宅持続陽圧呼吸療法材料加算

医療機関が患者さんにCPAPを使って治療を行うことに対する加算です。月の加算は100点(1,000円)です。基本は月に1度算定しますが、3ヶ月に3回分算定することも可能です。

3ヶ月に3回分算定する場合

CPAPの算定(支払い)には、1つの指導管理料と2つの加算が用いられます。

基本的にはCPAP治療中の患者さんは毎月受診していただくことになりますが、もし受診できなかった場合には2つの加算については「3ヶ月に3回分算定することが可能」です。

3ヶ月ぶりに受診の場合

未受診月未受診月受診月
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2250 点
在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算1,000 点1,000 点1,000 点
在宅持続陽圧呼吸療法材料加算100 点100 点100 点
月の合計1,100 点1,100 点1,350 点
3ヶ月分の合計3550 点
(35,500 円)
  • 3割負担:10,650 円
  • 1割負担:3,550 円

「睡眠時無呼吸症候群」での外来再診時には、再診料外来管理加算が算定されます。毎月受診だと毎月算定されますが、3ヶ月ごとだと受診月のみ算定されます。

遠隔モニタリング加算

最近では、遠隔モニタリング加算というものがあります。CPAPの使用状況をオンラインで確認し、直接外来受診しなくても遠隔で指導管理する仕組みです。

受診しなくても、その月に150点(1,500円)の保険診療が加算されます。

限度が2ヶ月分なので、この仕組みを利用しても3ヶ月ごとに受診をする必要があります。受診した際に、受診していない月の遠隔モニタリング加算がまとめて算定されます。

3ヶ月ぶりに受診の場合

未受診月未受診月受診月
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2250 点
遠隔モニタリング加算150 点150 点
在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算1,000 点1,000 点1,000 点
在宅持続陽圧呼吸療法材料加算100 点100 点100 点
月の合計1,250 点1,250 点1,350 点
3ヶ月分の合計3,850 点
(38,500 円)
  • 3割負担:11,550 円
  • 1割負担:3,850 円
遠隔モニタリング加算に必要なこと
  • 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象で、かつ、持続陽圧呼吸療法(CPAP) を実施している入院中の患者以外の患者について、前回受診月の翌月から今回受診月の 前月までの期間、使用時間等の着用状況、無呼吸低呼吸指数等がモニタリング可能な情 報通信機器を活用して、定期的なモニタリングを行った上で、状況に応じ、療養上必要 な指導を行った場合又は患者の状態を踏まえた療養方針について診療録に記載した場合 に、2月を限度として来院時に算定することができる。
  • 患者の同意を得た上で、対面による診療とモニタリングを組み合わせた診療計画を作成する。当該計画の中には、患者の急変時における対応等も記載し、当該計画に沿って モニタリングを行った上で、状況に応じて適宜患者に来院を促す等の対応を行う。
  • 当該加算を算定する月にあっては、モニタリングにより得られた臨床所見等を診療録に記載しており、また、必要な指導を行った際には、当該指導内容を診療録に記載して いること。
  • 療養上必要な指導は電話又はビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて行う。情報通信機器を用いて行う場合は、オンライン指針に沿って行うこと。なお、当該診療に関する費用は当該加算の所定点数に含まれる。
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