サイアザイド系利尿剤:特徴と注意点

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特徴

サイアザイド系利尿薬は、腎臓に作用し尿中へのナトリウム排泄を促すことで降圧効果を示します。ナトリウムと水分が合わせて排出されるため、むくみなどにも効果があります。

強い降圧効果があります。腎臓の機能が低下していると効果が乏しくなります。

血圧を下げる作用

血圧が上昇する原因の一つに、塩分の取りすぎとそれに伴う体液過多が挙げられます。

腎臓においてナトリウムは血液から尿へ排泄されます。一度、尿へ渡されたナトリウムの一部は、血液へ再吸収されます。血液に戻らなかったナトリウムが尿へ排泄されます。尿へ渡されたナトリウムが血液へ再吸収される時にNa+/Cl共輸送体が働いています。

サイアザイド系利尿薬はこのNa+/Cl共輸送体を阻害することで尿へのナトリウム排出を促します。体内のナトリウムが減少することで降圧効果を示します。

ナトリウムが減るとナトリウムを上げようとする機構が働きます。ナトリウムを引き戻してカリウムを尿へ排出する方向へ作用します(低カリウム血症)。カリウムが上がりやすい降圧剤(ARB、ACE阻害薬など)と併用しやすいため、合剤が発売されています。

同じようにナトリウムを引き戻す時にカルシウムも一緒に引き戻す機構もあります。そのためカルシウムは保持されます。

副作用

  • 低血圧:血圧が下がりすぎるとふらつきやめまいを自覚します
  • 低カリウム血症:体内のカリウムが下がりすぎると、不整脈を引き起こす可能性があります。
  • 低ナトリウム血症:体内のナトリウムが下がりすぎると、倦怠感や吐き気などがでることがあります。ひどくなると意識がぼんやりすることもあります。
  • 過敏症:種類によっては、まれに光線過敏症(日光にさらされた皮膚が赤くなって腫れたり痒みを伴ったりする)を引き起こすことがあります。
  • 尿酸値上昇:利尿剤の一般的な副作用として尿酸値の上昇があります。尿酸値が高い状態が続くと痛風になることがあります。

注意事項

めまいやふらつきを自覚する場合は、症状がある時の血圧を測ってみましょう。血圧が下がり過ぎている場合は、薬を減らしたりやめたりします。主治医に相談しましょう。

腎臓の機能が低下すると降圧効果が弱くなります。ナトリウムやカリウムの値を調べるために血液検査が行われます。

光線過敏症が出た場合は、中止や他剤への変更を検討します。

サイアザイド系利尿薬の一覧

一般名商品名適応用法・用量
ヒドロクロロチアジドヒドロクロロチアジド高血圧
浮腫 など
1日1−2回、1回 25mgから
(100mgまで)
トリクロロメチアジドフルイトラン高血圧
浮腫 など
1日1−2回、1回 1mgから
インダパミドナトリックス高血圧1日1回、1回 1-2mg

ARBとの合剤があります。

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