閉塞性無呼吸は心身に良くない影響を及ぼします。重症の閉塞性無呼吸に対してはCPAP治療が適応となり、CPAP治療は多くの恩恵を与えてくれる良い治療方法です。
しかし、CPAP治療はいろいろな理由で続けることが難しくなることがあります。CPAPをきちんとつけれる方は5〜7割程度と言われています。
しかし、閉塞性無呼吸による悪影響は続くので、なんとかCPAP以外の方法で治療を行なっていく必要があります。ここではCPAPの代替治療について解説します。
減量と運動
肥満がある場合は、体重を落とすよう行動しましょう。閉塞性無呼吸は肥満だけで発生しているわけではありませんが、肥満を解消すると無呼吸の程度が改善することがあります。
肥満の解消には、バランスの良い食事と定期的な運動が必要です。
BMIが25を超えている方は、体重を適正に保つよう行動しましょう。
BMIとは?
自分にとっての現在の体重が適正であるかを知る最も簡便な方法はBMI(ボディマスインデックス、ビーエムアイ)を計測することです。身長と体重から計算されます。
日本肥満学会によると、BMI 25以上を肥満、18.5未満を低体重と分類しています。適正なBMIは22となっています。BMIが25を超えていたら、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの病気を発症しやすくなります。減量に努めましょう。
横向きに寝る
背中を下にして寝ていると下顎で喉の奥を圧迫して気道が閉塞しやすくなります。姿勢によっていびきが強くなったりする方は、できるだけ横向きに寝るようにしましょう。
眠っている間に仰臥位にならないような工夫(パジャマの背中にポケットをつくってテニスボールを入れたり)が試されます。
また、枕が高くても気道は閉塞気味になります。体に合った枕をつくるのも良いかもしれません。
また、枕が高くても気道は閉塞気味になります。体に合った枕をつくるのも良いかもしれません。
アルコールや睡眠導入剤を控える
アルコールは多くの場合、閉塞性無呼吸を増悪します。アルコールや睡眠導入剤で筋肉の緊張が緩むことで、気道が閉塞しやすくなります。
アルコールを摂取した日は、「いびきがひどい」と周囲から指摘される方が非常に多いです。アルコールを控えましょう。
睡眠導入剤も筋弛緩作用が少ないものを処方してもらうか、良い睡眠を得るためのライフスタイル改善を試みましょう。
口腔内装置を作る
口腔内装置(OA:oral appliance)は、上の歯列と下の歯列のそれぞれのマウスピースを作成し、下顎が前方に向かうように組み合わせたものです。スリープスプリントとも呼ばれます。睡眠時無呼吸、いびき症に対する治療装置です。
口腔内装置も装着してしばらくの間は、「口が開けられない」「歯茎が痛い」などの違和感を感じることがあります。この違和感も装着していると気にならなくなることが多いです。
口腔内装置が慣れてきたら、睡眠時無呼吸の程度を再度検査します。それにより睡眠時無呼吸の程度が改善していたら、継続をします。
口腔内装置で睡眠時無呼吸の程度が改善すると、CPAPと同じように自覚症状や心身への影響が改善する効果が期待されます。
口腔内装置は歯科で作成されます
歯医者さんで作成されます。保険診療にて作成する場合は、以下の条件が必要となります。
- 医師により睡眠時無呼吸症候群と診断されていること
- 医師による治療依頼・紹介状
作成する場合は、受診を予定している歯科が口腔内装置が作成できるか問い合わせた方がよいでしょう。