血糖値の管理を行う
血糖値の動きを知る
食事や飲み物で炭水化物や糖類を摂取すると消化器システムでグルコース(ブドウ糖)に分解され吸収されます。吸収されたグルコースが血液の中に入ってきます。血液中のグルコースの濃度を血糖値といいます。
グルコースはヒトが活動するときのエネルギーとなります。特に脳の活動にはグルコースが必要です。
血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンの働きでグルコースは細胞に取り込まれ、細胞が活動するエネルギーになります。インスリンは主に筋肉や脂肪で作用します。インスリンによりグルコースがグリコーゲンになって筋肉や脂肪に取り込まれます。
2型糖尿病
2型糖尿病になると、体は「インスリン抵抗性」という状態になります。インスリンが分泌されてもうまく筋肉に取り込まれにくくなります。つまり、血糖値が下がりにくくなります。
血糖値が下がらないと膵臓はさらにインスリンの分泌を増やして血糖値をなんとかして下げようとします。やがて膵臓は頑張りすぎて疲れてしまい、インスリンを作る能力が低下します。
つまり、インスリンは効きにくいし分泌も減ってしまうことで、ますます血糖値は下がりにくくなります。
- 心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化による病気
- 糖尿病性神経障害:しびれや感覚の低下
- 糖尿病性網膜症:眼球の内側にある網膜の血流が悪くなり眼の中で出血することがあります。進行すると失明する可能性があります。
- 糖尿病性腎症:腎臓の血流が悪くなり腎臓の機能が低下することがあります。進行すると透析治療が必要になります。
血糖値をチェックしよう
健康診断や定期受診などで定期的に血糖値を測定してもらいましょう。
よほど血糖値が上がらないと自覚症状はありませんが、静かに動脈硬化が進行しているかもしれません。
血糖値の基準
血糖値の結果を見る時は、空腹時血糖なのか食後血糖(または随時血糖)なのかで基準が違うので注意してください。
【空腹時血糖値(10時間以上食事を摂らない状態)】
- 正常値:100 mg/dl未満
- 正常高値:100-110 mg/dl やや高め
- 空腹時高血糖:110-126 mg/dl 糖尿病に近い状態かも
- 糖尿病型:126 mg/dl 以上
【随時血糖値(食後)】
- 正常値:140 mg/dl 未満
- 境界型(食後高血糖):140-200 mg/dl
- 糖尿病型:200mg /dl 以上
正常値であれば安心ですが、境界型であったり糖尿病型であれば検査を追加します。追加される検査としては、HbA1c(ヘモグロビンA1c)や75g経口ブドウ糖負荷試験です。
成功のためのヒント
- 良い食習慣を
食事の内容を見直しましょう。健康に良いとされる食事をとり、制限すべき食事を減らしましょう。
- 活動しよう
消費カロリーを増やすために、より活動的になりましょう。身体的な活動は血糖値を下げ、糖尿病のリスクを下げます。糖尿病の場合、血糖値のコントロールに役立ちます。
- 体重を管理しよう
肥満があるとインスリン抵抗性になりやすく血糖値のコントロールが難しくなります。適切な体重を目指しましょう。
- 禁煙する
糖尿病を持っていて、喫煙をしていると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上がります。。禁煙しましょう。